今回、作家の大沢栄さんに道中記を依頼しました。
当日の楽しかった場面がよみがえってきました。
それでは、はじまり、はじまり。

福結びのために巡ったお寺

順	寺　院	ご本尊	住　所	電　話
1	東覚寺	福禄寿	東京都北区田端2ｰ7ｰ3	03-3821-1031
2	青雲寺	恵比寿神	東京都荒川区西日暮里3-6-4	03-3821-4241
3	修性院	布袋尊	東京都荒川区西日暮里3ｰ7ｰ12	03-3823-0873
4	天王寺	毘沙門天	東京都台東区谷中7-14-8	03-3821-4474
5	長安寺	寿老人	東京都台東区谷中5-2-22	03-3828-1094
6	護国院	大黒天	東京都台東区上野公園10-18	03-3821-3906
7	不忍池弁天堂	弁財天	東京都台東区上野公園2-1	03-3821-4638

ココテン 谷中七福神巡り道中記　　大沢 栄

　２００９年１月１１日（土）に、ＮＰＯ法人心遍路で『ココテン 谷中七福神巡り』という企画があり、それに参加した。
　ＮＰＯ法人心遍路の企画に参加したのは、２００８年夏のおとなの遠足『狭山三十三観音巡り』と同年秋のおとなの遠足『秩父三十四観音巡り』に続いての３回目になる。
　昨年は８月から月１回以上、心遍路のグループでのお参りに参加したことになる。
　不思議なことに、これらの企画に病みつき状態になるのだ。
　実施される日が待ち遠しく感じられ、グループのみなさんに会いたい気持ちにさせられる。
　これは多分、お参りが終わった後の打ち上げで飲むビールの中にそのような気持ちになる薬を盛られているのではないかと思っている。
　４回に渡る「狭山三十三観音巡り」の後の企画が、「秩父三十四観音巡り」だった。
　秩父は春に２回目の結願を終えていたので、その企画には参加するつもりはなかったのだが、〆切数日前には自然とパソコンで参加申し込みをしてしまったのだ。

　今回の「谷中七福神巡りに」に関しても、以前一度お参りをしたことがあるので、こちらは参加しないと決めていたはずが、実施前日に申し込んでしまった。
　私は、普段家にいるときは携帯は目覚ましにしか使わないので寝室に置きっぱなしだ。寝るときに、理事長からの携帯電話の伝言に気づいた。
　その内容は、
「谷中七福神の道中記を書いて下さい」
とあった。
「ひえ〜！」

　ＮＰＯ法人心遍路のサイトをクリックしてみれば分かるが、そこに載せられている文章は私とは無縁の真面目な文章なのだ。
　巡礼の意義、札所の解説が網羅され、私の文章など入る隙間はない。ただし、私の書く四国遍路記を掲載してもらっているという恩義がある。
　私は総てにおいていいかげんな男なのだが、昔から任侠映画が好きで、「義理と人情を秤にかけりゃ、義理が重たい男の世界」と崇拝する高倉健さんの教えだけは守らなければと思いその申し出を引き受けることにした。

　さて、谷中七福神巡りの集合場所はＪＲ田端駅に１１時。我が家は、三浦半島の端の端にあるから、家からは約１時間半かかる。秩父に行ったときには、４時間近くかかったのでそれに比べればと余裕を持って参加できる。
　集合場所に着いてみると、見知った顔の面々が迎えてくれた。
　理事長は、「ただいま」「お帰りなさい」という感じで出迎えられる会にしたいという信念を持っているという話を以前に聞いたことがある。
　その通りだった。
　２００８年１２月に秩父でお別れしたみなさんに、「ただいま」と言える気持ちにさせられた。
　今回は参加者は二十数名といつもより多い。これは近場で手軽に参加できるという趣旨が参加者を多くしたのであろう。

　そして今回の目玉に、渡部やえ（わたなべやえ）さんというプロの歌手のデビューＣＤ「ハイよろこんで七福神」（石坂まさを作詞・作曲）の歌の奉納がある。
　七福神の祀られている仏閣の前でこの歌を歌って奉納するのだ。
　一行は福禄寿が祀られている東覚寺に向かった。谷中七福神はメジャーな七福神だけあって、参拝客も多い。
　その中で、渡部やえさんが歌うのだ。
　ここで渡部やえさんが加わった。
　私は心遍路のサイトで彼女の着物を着た写真を見ていたので、二十代後半のお姉ちゃんだと思っていたのだが、実際は１７歳の女子高校生だった。
　今回は着物ではなく、私服で来ていた。
　それはそれは可愛い可愛い娘さんだった。
「可愛い娘さんですね」
とメンバーの方に話しかける。
「本物の歌手というのは綺麗なんですね」
「そりゃそうさ。芸能界に入るには美貌も合否を分ける要素だろうからな」
「それにしても１７歳の若さで、こうして見知らぬ土地の七福神に来て歌を歌うなんてえらいな〜」
「俺の１７歳の頃はぼけ〜っと過ごしていたな〜」
「親御さんも心配でしょうね」
「うちは息子三人だから、こんなに可愛い娘を持った心境は分からないけれど・・・」
「我が家も息子三人です。女房が強い家は男しか産まれないと言いますからね」
「そうか。うちも例外じゃない。確かに女房が強い」
などと七福神とは全く関係のない話で盛り上がった。
　彼女は４つの場所で歌の奉納をした。
　心遍路特製の七福神ハッピを着たおじさん達に囲まれて歌う彼女。
　最後のフレーズの♪あなたも　友達に　ナッテネ　ナッテネ〜♪の部分はすっかりと覚えてしまい、帰りの電車の中でも思わず口ずさんでいた。
　ハッピを着たおじさん達は彼女の親衛隊に見えた。

「七福神の願い事はできるだけわかりやすく詳細にていねいにお願いするといいです」
という理事長の話があった。
　そういうことならばと、１月１５日に発表になるロト６では２億円を当選させて下さいと七福神全部にお願いをした。１月１５日が楽しみだ。

　午前中に東覚寺（福禄寿）青雲寺（恵比寿神）修性院（布袋尊）とお参りをし、昼食をはさんで午後からは天王寺（毘沙門天）長安寺（寿老人）護国院（大黒天）弁天堂（弁財天）とお参りをした。
　どのお寺も参拝客が多く、ご朱印をいただくのには時間がかかった。
　その合間には、メンバーの方と色々な話ができた。
　のんびり、ゆっくり、その場を楽しんでお参りをするというのが、心遍路の魅力でもあり真骨頂でもあると思う。

　古い寺町谷中。寄り道をしてみたい場所も多くあった。
　谷中墓地、下町風俗資料館、そして上野公園周辺の動物園や上野東照宮、国立西洋美術館等々。
　また来てみたいと思う場所でもあった。

　さて、お参り後の飲み会だが、今回は所用があるので遠慮させていただいた。
　もしかすると、飲み会に参加した方々のビールの中には、心遍路の企画に参加したくなる薬を盛られているかもしれない。

　次回は２月１日（日）小江戸川越七福神巡り。

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