開催日:平成19年10月21日 天候:晴天 参加人数:9名(男性7名、女性2名) 参加地域:東京都7名、埼玉県1名、神奈川県1名 参加年齢:60歳代4名、50歳代2名、40歳代2名、20歳代1名 平均年齢:51.9歳 この総出開帳は秩父札所三十四ヶ寺の御前立本尊が一同に安置されるイベントでした。
秩父で札所を巡拝されたのと同じご利益があるといわれています。 浅草寺は有名なお寺ですが、もうひとつの顔は坂東三十三観音霊場第13番札所でもあります。 また、仏像ガールこと廣瀬郁実さんの仏像トークも楽しめました。 秩父札所総出開帳は10月21日(日)〜29日(月)まで開催されました。 |
△アサヒスカイルームから浅草寺を見下ろして |
山 号 | 寺 院 | ご本尊 | 住 所 | ||
9:00 | 東京都立産業貿易センター1階(台東館)集合 | ||||
9:30 | 坂東13番 江戸33 観音1番 |
金龍山 | 浅草寺 | 聖観世音 | 東京都台東区浅草2−3−1 聖観音宗の総本山 |
10:00 | 総出開帳見学 快晴の中、大勢の人が会場に詰め掛けました。 秩父三十四カ所住職・管理者の総出開帳法要を脇から見学しました。ゆっくりと般若心経を唱え、ご詠歌が奉納されました。 三十四カ所の御前立観音が一同に並ぶ中観音様とご対面を果たせました。 その後、浅草寺・仲見世を自由に探索 |
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11:30 | 並ぶこと15分。 浅草名代らーめん与ろゐ屋 (よろいや)にて早めの昼食 らーめんとぎょうざセット1000円がお勧め! タイの団体さんが過半数で妙にエスニックでした。 東京都台東区浅草1-36-7 03-3845-4618 |
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12:45 | 浅草名所 七福神 |
待乳山 | 聖天 | 大聖歓喜天 | 東京都台東区浅草7−4−1 |
13:30 | 隅田川 七福神 |
牛頭山 | 弘福寺 | 釈迦如来 | 東京都墨田区向島5−3−2 黄檗宗(おうばくしゅう) |
13:45 | 隅田川 七福神 |
宝寿山 | 長命寺 | 阿弥陀如来 | 東京都墨田区向島5−4−4 天台宗 |
おやつに長命寺桜もち 通常見る桜餅は餅1個に対して桜の葉1枚であるが贅沢に2、3枚を使用しています。お茶付で250円 東京都墨田区向島5-1-14 電話:03(3622)3266 |
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14:45 | ゲスト:仏像ガールこと廣瀬郁実さんの話 アサヒスカイルーム |
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16:00 | 総出開帳2度目の見学 仏像ガールさんから観音様の特徴を学んだ後だけに、新たな発見がありました。 仲見世の騒然とする状態とは別世界で、人も少なくゆっくりと見ることができました。 |
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17:00 | 浅草駅解散 |
仏像ガールこと廣瀬郁実(ひろせいくみ)さん 仏像コラムニスト 分かりやすい言葉で仏像について教えてくれます。 ポップな感覚で今までになかった視点で仏像と付き合っている笑顔の素敵な異色の女性です。 仏像ガールさんのホームページ |
中島広光さん 東京都在住 |
平成19年10月21日の日曜日は私にとって忘れえぬ特別の日となった。今回二度日の参加だが、秩父三十四カ所の観音様が浅草の浅草寺にて総開帳されるというのだ。 前回の9月30日は雨天の中、秩父の山道をずぶ濡れになりながら札所を巡ったが、初参加という事もあり相当に体力を消耗した。しかし終わってみればここちよい疲労感とともに、より深い魂の充足がある。ひとり孤独な巡礼ではなく楽しい仲間もいる。日常生活ではけっして味わえないえもいわれぬ体験であった。 今日は打って変わり抜けるような鮮碧の空である。これも観音様の祝福であろう。もとより信仰心とは縁遠く世俗にまみれた自分であったが、秩父の豊かな自然と悠久の年月を重ねた由緒ある名刹を訪ね歩いて気持ちのありようが少しは変わったのかもしれない。いや、変えさせて頂いたのだ。そんな一種純粋な心持を胸に約束の場所へ向かった。 ご開帳は五重塔の中にあり、一時間程並んだ後、建物内へ誘導された。入り口の前はまさに満員電車のようであるが誰一人不平も言わず粛々と立ち尽くしている。まるでここは心の浄化装置のようだ。展示ロビーには観音巡礼にまつわる歴史的な遺物や貴重品、秩父三十四観音霊場にまつわる言い伝えが切り絵やイラストで解説されていた。 やがて、私達も奥へ進みいよいよご尊顔を拝する瞬間が訪れた。荘厳な空気の中で三十四体の観世音菩薩様が威厳と慈しみをたたえて並んでおられた。だれもが観音様一体一体に合掌している。私も親しみを込めて拝観させて頂いた。 観音様はどれも個性豊かな表情をしておられる。時の重みを感じさせる観音様もいらっしゃれば真新しい輝きに満ちた観音様もいらっしゃる。そのどの表情も慈悲深く光りに満ち溢れ、あたりの空気を明るく支配していた。 この場所は一つの宇宙空間であり、異次元の世界なのだ。ここでは極悪人さえも罪を悔い改め柔和にならざるをえないだろう。時間は止まり、至福のひとときが私たちを包み込んでいた。「素晴らしいですね」隣の見知らぬ年配のご婦人が思わずため息混じりに呟いた。こちらも無意識にうなずく。 中ほどには紅白の縄紐が吊るしてある。それは観音様とつながっており、その紐を握ることで観音様と一体になれるという。みなご利益に預かろうと次々に縄紐を握っていく。私たちの一行も例外ではない。やがて拝観も終わりに近づき秩父遍路のベテランという年配のご婦人と出会った。しばし歓談し別れて出口に急いだ。光に満ちたひと時はあっという間に過ぎていった。 浅草寺をあとに昼食をとり、待乳山聖天・弘福寺・長命寺と巡り、隅田川ほとりにそびえるアサヒビール本社の最上階にあるミーティングルームで仏像ガールこと廣瀬郁実さんの仏像に関する解説を聞いた。ドリンクを飲みながらリラックスした雰囲気のなかでイラストを交えて仏様の舌は長いとか手のひらの形には意味があるなどわかりやすく軽快な話でいろいろと勉強になった。とてもうら若い女性から仏像について学ばせて頂くとは予想もしなかった。 帰りにもう一度浅草寺に寄り、人ごみの収まった境内を巡って仲見世を見物し帰途についた。 本当に夢のようで楽しく意義深い一日であった。私は改めて思う。このような心の琴線に触れる機会が長い人生で幾度あるだろうか? そして巡礼姿を同じくする個性的な多くの方々が共にいらっしゃる。孤独ではなく、妙に宗教がかってもいない気楽で自然な集まりなのも良い。 これまでの私は天文学や自然科学が趣味で考え方まで合理的過ぎたのかもしれない。そんな偏った考えにバランスを与えて頂いたと思う。 わが心遍路の旅は始まったばかりであるが、今後とも末永く、この会の皆様と共に感謝を込めて歩んでいく決意である。ありがとうございました。合掌 |