2008年7月2日(水) 19:00-21:00 東京ボランティアセンター会議室B
パネラー:丹羽 叡、伴流高志、渕山知弘 司会:福本正幸(NPO法人心遍路理事長)
参加者:24名
実際にトラベルサポーターをされた方も多く参加され、中身の濃い話ができました。
ご参加いただいた方、ありがとうございました。
しょうがい者のバリアフリー旅行は、まだまだ主催者側・受入側・参加者・サポーターみんなが手探りの状態です。
ひとつひとつの課題はクリアになっていても、その場でおきる問題に対しては手探りの状態です。
それを、経験者とともにその場にいるメンバーで知恵を出し合ってクリアしていくことで、そのツアーが満足度の高いものになるのだと思います。
講座内容(抜粋)
バリアフリー旅行でのしょうがい者にとってのバリアとは何だとおもいますか
旅行申し込み前
【丹羽】
月並みな言い方ですが、取り越し苦労とでも言うのでしょうか、ご本人の心の中にある、バリアでは無いでしょうか?
”バリアフリーお遍路倶楽部”視覚障がい者編に参加されてたKさんは、「家族が勝手に申し込んだので、止む無く参加した」とつまらなそうに参加しけれど、2度目からは「喜んで参加」に変わった事例も有ります。
【伴流】
・担当者が、障がいや疾病についてよく分からない事が多く、本当にこのツアーに申し込んで大丈夫だろうかと不安になる。
・ツアーの催行率、企画数が少なく、行きたいときに「いつでもどこへでも行ける」商品ブランドがない。
【渕山】
・申し込み先
どこで申込めばいいのか、どの旅行会社が専門のツアーを扱っているのか、全ての旅行会社で勤務する人が知識を持っているわけではない。
・ツアーの数
一般のツアーと比べて、行きたいときに行きたいところへという環境ではない。
・料金
どうしても運営上少人数にならざるを得ず、高くなってしまう。
といいつつ、どんどん個人で調べ、チャレンジされる方がいることも事実です。
【福本】
ご本人とご家族の信頼関係が最初の障壁になる場合があります。特に宿泊を前提に一人参加可能とうたった場合、まずご家族を説得することが大変な方がおりました。
また、どのようなサポートが可能なのかも、正しく理解していただくためのツールがそろっていない場合があります。
旅行参加中
【丹羽】
障がいの種類によっても違いは有ると思いますが、「物理的バリア」「制度上のバリア」で当初の目的が果たせなかったケースが目に付きます。
【伴流】
・障がいは、お客様の身体運動機能状況と現地の環境とのギャップである為、実際にいってみての、予想外の状況が多々ある。(多少なりともほとんどのお客様は不安を感じながら旅をしています。)
【渕山】
・100人100色だとすると、100%ご本人が過ごしやすい状況が整えられているとは限らない
福祉旅行≠バリアフリー旅行
・参加されたら、バリアもあるけど楽しみも普通のツアー以上に楽しめると思います。
お遍路バリアフリー旅行に期待するポイントについて
【丹羽】
盲導犬受け入れが進んだ経緯に見られる様に、繰り返し出かける事で「バリア」が解消される事が期待できます。
日本中・世界中バリアフリー旅行が出来る様になれば、バリアフリーを力説する必要も無くなると期待します。
【伴流】
・バリアフリー四国お遍路は、「地元の人たちとの自然な触れ合いや素朴な町並み等、日本の原風景がまだ残っていて、幼い頃の素直で純粋な自分に戻ったような気持ちに慣れる」唯一の環境であり、旅本来の魅力がぎっしり詰まっていると思います。色々なバリアフリー旅行をご案内してきましたが、お遍路が一番生きる勇気や自信、楽しさを実感できます。
【渕山】
・バリアフリー団体でお参りすることで、行く先々の方に「気づき」のきっかけ作りになると思います。
今までも、個人的にマイカーでお遍路に行かれる車いすの方々を見かけました。
ただ、グループでお参りすることで「トイレが困っているな」「階段が大変そうだな」とお寺やレストラン、ホテル関わっていただくところ全ての方に気づいていただくこともグループだからこそだと思います。
このような旅行が増えることによってハード面での整備が進み、一般のお年寄りのお遍路も負担が少なくなっていくのではないでしょうか。
【福本】
繰り返し継続することで、地域の人々との交流が生まれます。多くの人が集えば、障がい者や高齢者の様々なバリアもハードルが低くなります。
何事も無い場所に思い出や記憶は残りません。何かあるからこそみんなが学習できるのです。
声を出す。歩いてみる。写経をする。自然と接する。などなど体験することはいくつもあります。またその分バリアをクリアしなければならないことも数多くあります。そしてその経験はすぐに次に生かされます。
8月の勉強会に続きます
次回も、お遍路を通してのバリアフリーツアーを考えます。
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講師経歴・バックグラウンド
丹羽 叡(にわ あきら)
1940年生まれ。1964年4月、日本航空株式会社入社。翌年、ダグラスDC8型機副操縦士を経て、1975年同型機長に。以降、ボーイング747型機をはじめ、2000年5月の退職まで、国際線パイロットとして活躍。その後バリアフリー旅行を支えるトラベルサポーターとして活動。もっと優しい旅への勉強会スタッフ、バリアフリーお遍路倶楽部
伴流 高志(ばんりゅう たかし)
神奈川県川崎市出身。介護福祉士、福祉用具プランナー、福祉住環境コーディネーター2級などの資格持つ。もっと楽しむためのバリアフリーツアーの実践を目指している。現HISバリアフリートラベルディスクメンバー。
渕山 知弘(ふちやま ともひろ)
近畿日本ツーリストを経てクラブツーリズム バリアフリー旅行センターの一員として高齢の人や障害のある人も安心して参加できる国内・海外ツアーを担当。
バリアフリーお遍路倶楽部は最初から担当。
お遍路・巡礼に関わることで
7つのコウ が手に入ります。
これは嬉しいことではないですか!
1 |
信仰 |
お大師さんや観音様などを信じて手を合わせあがめること。 |
2 |
健康 |
肉体だけではなく心や精神の働きやものの考え方が正常になること。 |
3 |
観光 |
札所やそれをつなぐ遍路道などの風景・史跡・風物などを見物すること。 |
4 |
学校 |
仲間と新たに学ぶ場所を得ること。 |
5 |
紀行 |
旅行中の体験・見聞・感想などを書きつづった文章や写真を残し伝えること。 |
6 |
交流 |
地元の人とふれあい、お遍路さん・巡礼者とふれあうこと。 |
7 |
実行 |
実際に1歩踏み出すこと。 |
NPO法人心遍路ではお遍路・巡礼をテーマにおとなの学校(カルチャースクール)を開校します。
生きがい創造のお手伝いで、あなたを華麗なお遍路さんデビューへと導きます!
これからの第2の人生、
人のため、自分のための
生きがい創造の第1歩を踏み出しませんか。
◆以降の勉強会予定◆
日付 |
時間 |
会議室 |
内容 |
講師 |
12月3日(水) |
19:00-21:00 |
中目黒スクエア内 青少年プラザ5F |
仏教と武道、気功の融合、そしてお遍路とトラベルサポートのコラボレーション・その2 |
三代公映 |
上記の受講料(1回につき):一般1,000円、会員500円
以降の内容によっては受講料が変わる場合があります。またテキスト代が実費でかかる場合もあります。
小滝橋車庫前−都営飯田橋駅間のバス (飯62系統、大久保駅・新大久保駅・国立国際医療センター経由) で 「飯田橋駅」 停留所下車。外壕通りを市ヶ谷・新宿方向にすすみ、左手奥に見えるビルがセントラルプラザです。
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